MGS小説

□act.6 「知恵の林檎」
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エヴァ「…オセロットが?」

スネーク「ああ、港で釣りをしていた。

しかし、オセロットの若い頃ってのは何かおかしくないか?」

エヴァ「おかしいって?」

スネーク「なんというか…おっちょこちょいというか…」

するとエヴァは思い出し笑いをしながら

エヴァ「そうね、確かにおっちょこちょいかもしれないわね。」

と言った。

スネークは怪訝そうな顔をしながら、どうしたんだ?と聞いた。

エヴァ「いえ、彼と初めて会った時の事を思い出したの。


東欧で私が昔、ネイキッドスネーク、後のビックボスのサポートとして「スネークイーター作戦」に参加したって話覚えてる?

初めてビックボスと出逢った次の朝、私とあの人は山猫部隊、当時のオセロットが隊長を勤めてた部隊に奇襲を受けたの。

でも流石は二十世紀最強の兵士、みんな倒しちゃったわ。

…でもスネークと別々に脱出しようとした私はオセロットに捕まった。

当時何があったのかは知らないけどオセロットはビックボスに言われて自動拳銃からリボルバーに変えていたの。
リボルバーオセロットと呼ばれるようになった要因ね。

でもやっぱりそこはオセロットの性格なのか、装飾いっぱいの派手なリボルバーを持ってきていたわ。

それで私を餌にビックボスをおびき寄せたんだけど、あの時のビックボスは格好良かったわ。」

聞く機会の少ないオセロットの過去話を聞き入っていたスネークは突然話を止めたエヴァを見るとエヴァは遠くの方を見つめていた。

スネーク「何があったんだ?」

エヴァ「あ、ごめんなさい。

私を盾にしてビックボスに銃を突きつけたオセロットに彼は思いもよらない行動を取るの。

…なんだと思う?」

スネークは煙草を出しながら見当もつかないな、と言った。

エヴァ「オセロットに向けていた銃を下ろしてこう言ったわ。

「お前に俺は殺せない」

格好良いでしょう?」

スネークは心なしか不機嫌になりながらその先は?と聞いた。

エヴァ「もちろん、そんな事を言われて黙ってるオセロットじゃないわ。

あの人に向かって引き金を引いたんだけど、弾は出なかったの。
どうやらオセロットは既に弾を撃ちつくしたのに気付かなかったみたいね。」

スネークは煙草の煙を吐き出した後に言った。

スネーク「なるほど、確かにおっちょこちょい、というか間抜けだな。それで?」

エヴァ「私は弾が出なくて混乱してるオセロットから逃げ出して、その後バイクで蹴り上げてやったわ。」

スネーク「それで、オセロットは?」

エヴァはやれやれといった感じで肩をすくめながら言った。

エヴァ「逃げ出したわ。「また会おう」とか言ってたんだけど私は当然逃げるオセロットを撃とうとした。

…でも止められたわ、ビックボスに。
「奴はまだ若い」と言って私を止めたの。

…思えばあの時撃たなくて正解だったわね。」

スネークは煙草を携帯灰皿に入れて言った。

「…オセロットの敗因は二つ。

自分の銃の残弾数を分かっていないことと、その何の戦術的有利性もないリボルバーを使っていることだ。」

それを聞いたエヴァは少し笑った。

スネーク「どうした?」

エヴァ「いいえ?別に。」

スネーク「?」

スネークが何故エヴァが笑ったのか考えていると運転席にいたキャンベルがやっと終わったかといった感じに話かけてきた。

キャンベル「んで?
スネーク、食い物はあったのか?」

スネークは溜め息をつきながら言った。

スネーク「大佐、食い物は無かった。だから当分は我慢だ。」

キャンベル「なに!?マジかよ、腹減った〜。」

すると先ほどから黙っていたオタコンが口を開いた。

オタコン「確かにお腹が空いてきたね。早いとこ食料を見つけないと…。」

エヴァ「良い案があるわ。」

エヴァが突然思い出したように言った。

キャンベル「本当か!?
どんな?」

エヴァ「よくきいて。

………。」





森の中





スネーク「で?」

オタコン<何だい?スネーク

スネーク「何で俺が森の中を麻酔銃とサバイバルナイフ片手に駆けずり回んなきゃならないんだ?」

オタコン<それはエヴァが食料なら森の中にいっぱいあるから捕ってくれば良いって言ったからじゃないか。

スネーク「違う、そうじゃない。

何で俺が、しかも俺一人で行かなきゃならないんだ?」

オタコン<それもエヴァが言ってたろ?

この方法で食料を集めてたのはビックボス、さらに彼はとても捕獲・採集するのが巧かったという話だ。

なら彼のクローンたる君にもそのスキルが伝わってるかもしれないじゃないか。

スネーク「エヴァに抗議させてくれ。」

オタコン<エヴァはさっき君が言ったオセロットの伝言について考えてるから無理だよ

スネーク「オタコン、勘弁してくれないか?」

オタコン<スネーク、これはいわば任務だよ。生きるための。

スネークは頭を痛そうにしながら言った。

スネーク「…任務を開始する。」
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