MGS小説

□act.9 「捜索開始」
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スネーク「しかし探すと言ったって、どこを探すんだ?」

スネークは煙草を携帯灰皿に入れ、そう聞いた。

オタコン「確かに手がかり無しで一人の人物を探すのは無謀だね。」

するとエヴァが少し考えて言った。

エヴァ「…いえ、まったく心当たりが無いわけではないわ。
今まで行った場所で、彼かもしれない痕跡はいくつか有ったし。」

スネーク「軍事基地の事を言ってるのか?」

エヴァ「そうよ。」

ジョナサン「しかし、ビックボスが一度調べた場所に戻ってくるのか?」

それを聞いてみんな黙り込んでしまった。

オタコン「…とりあえず、お腹空かないかい?
食べながらでも考えよう。」

キャンベル「それだ!」

オタコンの言葉を聞いたキャンベルがいきなり叫んだ。

オタコン「な、なんだい?」

エヴァ「なにか気づいたの?」

キャンベル「いいか?
ビックボスも腹が減る、となると勿論食料を調達するだろう。
彼の場合最低ジャングルで調達出来るが、奴も人間だ。当然まともな食事がしたいだろう。
だから食料が調達出来そうな場所を探すのはどうだろうか?」

キャンベルはそれにこっちも食料調達したいしな。と付け加えた。

スネーク「多少無理がある気がするが何もしないよりは良い。
で、どこに行けば?」

オタコンが地図を取り出して広げた。

オタコン「港には当分近付かない方が良いね。
となると場所は…。」

エヴァ「…ここね。」

エヴァの指は市街地を指していた。

キャンベル「決まりだな。
トラックを出すから掴まってろよ。」

キャンベルが運転席に乗り込んでエンジンを掛けたとき、ジョナサンが突然言った。

ジョナサン「待ってくれ。
みんなで同じ場所に行くのは効率が悪い。
だから俺は違う場所を調べてみようと思う。」

キャンベルは良いだろうと言い、ジョナサンにどこを調べるのか聞いた。

ジョナサン「自分で言っといて何だが、やはり軍事基地に行ってみようと思う。
確かにビックボスがいる可能性は低いが基地ともなれば設備が豊富だからな。
武器もこれだけじゃ心もとない。」

そう言ってジョナサンはAKを掲げてみせる。

スネーク「…わかった、気をつけろよ。」

オタコン「ここから南西に歩いていけば、すぐに基地に着くよ。」

ジョナサン「わかった、何か分かったら諜報文書を送る。
じゃあ。」

そう言ってジョナサンはトラックから降りていった。

エヴァ「…一人で大丈夫かしら?」

エヴァの問いにキャンベルが答えた。

キャンベル「あいつも1970年のサンヒエロニモ半島事件に関与していたんだ。
ちょっとやそっとじゃくたばったりはしないだろう。」

そう言ってキャンベルはトラックを発進させた。





移動中、トラック内





エヴァ「そういえばスネーク?」

スネークは外を見つつ、何だ?と聞いた。

エヴァ「港から出て行く時に誰かの名前を呟いてたみたいだけど。」

スネークはエヴァの方を向き、煙草に火を付け一度吸ってから答えた。

スネーク「グレイフォックス、フランク・イェーガーの事か。」

エヴァ「フランク・イェーガー!?」

スネークが言った名前にエヴァが強く反応したためスネークは知ってるのか?と聞いた。

エヴァ「知ってるわ。
…そう、彼がパラメディックが犯した罪なのね。」

スネーク「パラメディック?
パラメディック部隊の事か?」

スネークの言葉にエヴァは首を振って答えた。

エヴァ「東欧であなたに説明したでしょう?
愛国者達の創立時のメンバー。
ゼロ
シギント
パラメディック
オセロット
そしてビックボス。
パラメディックは1964年の「スネークイーター作戦」の時の彼女のコードネーム。
その後彼女はクラーク博士と呼ばれていた。」

スネークは煙草の煙を吐いて言った。

スネーク「クラーク博士の名前には聞き覚えがある。
俺達という怪物を創り出した奴だな。」

エヴァは創り出したという言葉を聞いて少し顔をしかめた。

エヴァ「でも彼女は戦いの為に研究をしていた訳じゃない。
彼女は自分の遺伝子研究が未来の役に立つと信じて研究を続けていたの。」

スネーク「本人の意志がそうだったとしても、現実はこうだ。
政治に、時代に惑わされ、怪物を作り出し、世界を破滅に導きかけた。」

エヴァ「でもあなたは世界を救っ「もともと俺達がいなければ何も起きなかった。」

エヴァの言葉を遮るようにスネークは続けた。

スネーク「俺がいなければグレイフォックスは実験体にされることも死ぬことも無かったんだ。」

そう言ってスネークは煙草の火を消した。

エヴァ「でもあなたは愛国者達を倒したじゃない?
あなたがいなかったら世界が愛国者達の支配から逃れる事は無かったわ。」

スネーク「いや、俺が邪魔しなかったらビックボスがザンジバーランド、アウターヘヴンの蜂起で愛国者達を倒していただろう。
俺は、いや、俺達は生み出されてはいけなかったんだ。」

それを聞いたエヴァは何も言う事が出来なくなってしまった。

その時、スネークの無線からコール音が鳴り響いた…。
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