MGS小説
□act.12 「別れた一人」
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スネーク「ビッグボスだと!?」
オタコン「!!」
スネークの言葉にオタコンも驚き、だが冷静に次の反応を待った。
スネーク「ビッグボス、今どこにいるんだ!?」
ビッグボス「……敗者は戦場から解放されるが、勝者は戦場に残る。
そして生き残った者は死ぬまで戦士として人生を全うするのだ…。
新しい人生など期待するな。
お前は戦士だ。
…戦場から離れることは出来ない。」
スネーク「貴様、その言葉は…!」
ビッグボス「私に会いたければ基地に来い。
…Over。」
ビッグボスとの通信が切れたがスネークは微動だにしなかった。
オタコン「…スネーク?」
みしっ
オタコン「?」
ばきゃっ
オタコン「うわっ!」
オタコンが音のしたほうを見ると、スネークの手には握りつぶされた無線機が握られていた。
スネーク「…オタコン。」
オタコン「な、なんだい?」
スネーク「行ってくる。」
オタコン「まさか、君……おい!」
オタコンがスネークを止めようとした時にはもうスネークの姿はなかった。
オタコン「大変だ…みんなを起こさなきゃ!」
トラックの中
オタコン「キャンベル!」
キャンベル「うわ!なんだ!?」
真夜中にいきなり大声で起こされたキャンベルは混乱しつつも尋常じゃない慌てぶりのオタコンを見て、どうした?と聞いた。
オタコン「スネークが…行ってしまった!」
キャンベル「待て、落ち着け博士。
スネークがどこに行ったって?」
オタコン「だからビッグボスに会いに軍事基地に一人で行ってしまったんだ!」
キャンベル「なんだと!?
まずい!!すぐに追いかけるぞ!
エヴァを起こしてくれ!」
エヴァ「もう起きてるわよ。
何かあったの?」
キャンベル「事情は道ながらに説明する、今は早くトラックを出すぞ!」
エヴァ「?…きゃあ!」
キャンベルが急にトラックを発進させたのでエヴァは頭を打ちそうになった。
エヴァ「一体何があったのよ!?」
キャンベル「スネークが一人でビッグボスに会いに言ったらしい。
詳しい事はエメリッヒ博士に聞いてくれ!」
オタコンはエヴァが聞くよりも早く事情を説明した。
キャンベル「罠の可能性が高い。
スネークに連絡は取れないのか?」
オタコン「それが…スネークが無線機を握りつぶしちゃったんだ。」
キャンベル「くそっ!
何を言われたんだスネーク!」
エヴァ「無事でいて…スネーク…。」
トラックは全速力で基地へと走っていった…。
基地
スネークは既に基地へ到着していた。
基地の門には見張りが二人いたが、スネークは構わずに門へ向かっていった。
見張り「!貴様一体何者…」
見張りの一人が言い切る前にスネークは引き金を引いていた。
スネークはもう一人の見張りが驚いている間に後ろへ回り込み拘束、ナイフを喉へ走らせた。
そうしてスネークは堂々と正面から基地へと侵入した。
スネーク「……。」
基地の中には誰もいなかった。
スネークは手当たり次第に建物を回っていった。
工場
スネークが工場に入った途端に工場の全照明が一気に点いたためスネークは目が眩みつつも即座に壁の陰に身を隠した。
そしてスネークが警戒しながらそっと周りを覗き込んだ時、ある物が目に入ってきた。
港で手に入れた設計図とまったく同じ物の実物、完成体。
すなわち…
スネーク「…シャゴホッド…。」
???「その通りだ。」
スネーク「!」
スネークが声のした方へ銃を向けると大柄な男が立っていた。
スネーク「…誰だ。」
???「貴様こそ誰だ。
私の知っている男とは少し違うようだが?」
???「そいつはソリッドスネーク、例のアメリカ人のクローンです。」
そう言いながら大柄な男の後ろから出て来た男を見て、スネークは驚愕した。
スネーク「オセロット!」
オセロット「また会ったな、…スネーク。」
スネーク「やはり裏切っていたのか!」
オセロット「裏切る?
勘違いしないで欲しい。
誰が手を組むと言ったんだ?」
スネーク「…。」
オセロット「ヴォルギン大佐、こいつを野放しにしていては例の計画の障害になります。
拘束しましょう。」
ヴォルギン「そうだな。」
そう言ってヴォルギンはスネークに近づいてきた。
スネーク「くっ!」
ドンドンドンッ
バチバチバチィ
スネーク「!?」
スネークが撃った弾は全て見えない壁のようなものにぶつかり、ヴォルギンには当たらなかった。
ヴォルギン「無駄だ、そんなもので私は倒せん。」
スネークは銃を戻し、腕を構えた。
そしてヴォルギンがスネークに仕掛けようとした時、
オセロット「待ってください。」
ヴォルギン「?
どうした、オセロット。」
オセロット「わざわざ大佐が手を下す必要はありません。
…この女に任せましょう。」
そういうとオセロットの影から一人の女が出て来た。
スネーク「…。」
ヴォルギン「…良いだろう、好きにしろ。」
ヴォルギンはそう言ってスネークから離れていった。
そして代わりに女が近づいてきた。
???「ついに生まれてしまったのね。」
女はそう言いながらスネークの頬に手を添えようとしてきた。
スネークはそれを避けようとしたが…
スネーク(身体が…動かない!)
女はスネークの頬に手を添えて唇が触れるぎりぎりの所まで顔を近づけて言った。
???「…呪われし蛇の子ども達…。」
スネーク「!!」
ドォンッ
次の瞬間スネークは何かの力で強く壁に打ち付けられ気を失った…。