MGS小説

□act.13 「0」
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スネーク「…ここは…。」

スネークが周りを見渡すと、どうやら自分が牢にいることと、既に夜になっていることがわかった。

スネーク「くそっ…。」

スネークは自分とは思えない程軽はずみな行動をとった事を思い出した。

その時、スネークにコールが入った。

スネーク「…誰だ。」

オタコン<スネーク!?

スネーク「オタコン?この無線には通信出来ないんじゃなかったのか?」

オタコン<一大事だからね、ちょっと無線機をいじって改造したのさ。これで君の耳小骨埋め込み型の無線にもコールできるようになった。

スネーク「そうしてもらえると有り難い。
無線機をいちいち持ち歩きたくはないからな。」

オタコン<君が耳小骨埋め込み型を使っていて良かったよ。敵に取られる心配は少ないからね。
ところで大丈夫なのかい?

スネーク「少なくとも大丈夫と断言できる状況ではないな。」

そういってスネークはドアの窓から廊下を覗き込んだ。

スネーク「…見張りは見たところいないようだ。
どうやら部屋の中に更に小部屋を作ったタイプの牢らしい。」

オタコン<何とか脱出できないかい?
今回は僕が助けに行くこともできないからね。

スネーク「わかってる、なんとかするさ。」

スネークがそう言い終わると同時に部屋の扉が開けられた。

スネーク「…どうやらお客のようだ、切るぞ。」

スネークはオタコンの返事を待たずに無線を切った。

すると人の気配がスネークのいる小部屋の前で止まった。

スネーク「…誰だ。」

???「警戒しないで、私は敵ではないわ。」

スネーク「女か、何のようだ。」

???「ごめんなさい。時間がないから手短に話すわ。
…あなたはここがどんな建物かわかる?」

スネーク「…見たところただの基地にしか見えんな。
人が少ないのが気掛かりだが…。」

???「この基地は昔ソ連にあった大要塞グロズニィ・グラードを再現したものなの。
ただそれはこの基地の表面にすぎないわ。」

スネーク「裏があるということか。
…何があるんだ?」

???「…ごめんなさい。私も詳しくは分からない。
ただこの基地…いや、この島の地下に何か恐ろしいものがあるように感じるの。」

スネーク「感じる?
まさかとは思っていたがその声、そしてその言葉。
…俺を吹き飛ばした女か?」

???「違うわ。
あれは私の姉のウルスラ。
私は妹のエルザよ。」

スネーク「お前もESPか?」

エルザ「私の力は弱いけど、この恐ろしい波動は肌が焼けるように感じるわ。
…おそらく、核よ。」

スネーク「核…。」

エルザ「…もう時間が少ない。
これを。
あなたの父親が使っていたものよ。」

そういってエルザは一つの小箱を渡してきた。

スネーク「これは…煙草?
いや、煙草型麻酔銃か。」

エルザ「この後すぐに看守が戻ってくる。
その看守があなたに重大なヒントをくれる。
それを聞いたらすぐに脱出して。
ただ…。」

スネーク「…何だ?」

エルザ「必ず脱出は一人でして。
二人以上いた場合あなた以外の全員が…。」















ーーー死ぬーーー
















スネーク「…わかった。
次はもっと縁起の良い占いを頼む。」

エルザ「…以前私が占った人は世界を救った。
…でも彼は幸せにはなれなかった。
スネーク、幸せになってね。」

エルザはそういって部屋を出て行った。

スネーク「……。」

するとすぐに看守が入ってきた。

看守「また会ったなスネーク。俺の事覚えてるか?」

看守がまるで友人に話し掛けるように言ったので、スネークは少し警戒しながらも答えた。

スネーク「…悪いが俺はお前に会った覚えはない。」

それを聞いた看守は若干悲しそうにした。

看守「そうか、覚えてないか。
…当たり前か、あれから五十年も経ってるんだからな。
…聞いた話だと元の基地は壊滅したって言うし…。
まあこれだけ元の基地を再現されるとまったく違和感ないけどな。」

スネーク「…何か勘違いしてな…。」

看守「あの時とは違う牢だけど、またあんたとこんな形で会うなんて不思議な巡り合わせだよな。
…正直また会えて嬉しいよ。」

スネークの言葉を聞かずに看守は次々と喋っていった。
そしてスネークが人違いだと言おうとした時。

看守「…そういえばあんたの知り合いがここの基地にいるらしいな。」

スネークが思い付くこの基地にいる知り合いは一人しかいなかった。

スネーク「…オセロットか。」

看守「違う、小佐じゃない。」

スネークは不思議に思いながらも、じゃあ誰だ?と聞いた。

看守「確か…デイビッドっていったかな?」

スネーク「デイビッド……。
…まさかデイビッド・オウか?」

看守「そうだ、それだ。」

スネーク「ゼロがここにいる…!?」

看守「…ちょっと話しすぎた。
またな、スネーク。」

そう言って看守は離れていった。

スネーク「なる程、エルザが言っていた重大なヒントはこれか。」

スネークは看守が離れたのを見ると、すぐにキャンベルにコールした。

スネーク「こちらスネーク。大佐?」

キャンベル<スネーク!無事だったか。

スネーク「何とかな。
それより報告したい事がある。」

キャンベル<どうした?

スネーク「どうやらゼロがここの基地にいるらしい。」

キャンベル<なんだと…!
確かなのか?

スネーク「恐らく本当だろう。
ここの看守が言っていた。」

キャンベル<…スネーク、ゼロを連れて脱出しろ。
彼なら何か知っているかもしれん。

スネーク「了解。
ただ気になる事があるんだが。」

キャンベル<なんだ?

スネーク「さっきエルザというESPが言っていた。
この基地を脱出する時俺と一緒にいた奴は死ぬらしい…。」

キャンベル<エルザだと!?

スネーク「知っているのか?」

キャンベル<…わかった、彼女の言葉を信じよう。
ならばゼロに会うんだ。
彼から何か情報を聞き出してくるんだ。
恐らく何か知っているだろう。」

スネーク「了解。
ではこれより、この基地を脱出する!」

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