MGS小説

□act.15 「GrayFox」
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スネーク「グレイフォックスなのか!?」

ヌル「…違う、俺に名などない。
俺はロストナンバー。
俺は無(ヌル)だ。」

スネーク「違う!
お前はグレイフォックスだ!」

ヌル「…。」

ヌルは無言でスネークに飛びかかってきたが、スネークはそれを交わした。

スネーク「くそっ!」

ドンドンドンッ

シュッ

撃った弾は、難なく交わされてしまった。

スネークは建物の影に隠れた。

スネーク(どうすればいい?
奴を正気に戻す方法は?)

エルザ(スネーク危ない!)

エルザの声が聞こえた時には、もう遅かった。

ヌル「死ね。」

ヌルが建物の上からスネークに飛びかかって来ていた。

スネークは回避しようとするが間に合わない。

スネーク「くっ!」

ズドンッ

ヌル「!?」

ガアンッ

ヌルは何故か吹っ飛んだ。

スネーク「…。」

スネークは銃声が聞こえた方を見た。

???「危ない所だったな。」

煙の出ているアンチマテリアルライフルを担ぎ、立っているその人は。

スネーク「ビッグボス!」

スネークはすぐに警戒の姿勢をとった。

スネーク「やはりこの島に来ていたか!」

ビッグボス「待て、警戒しなくていい。
それよりも…。」

ビッグボスはスネークの後ろを見た。

スネークも振り返ってみると…。

ヌル「…。」

ヌルが無言で立っていた。

だが少し様子がおかしかった。

スネーク「…どうした?」

ヌルは応えなかった。

しきりにビッグボスを睨み続けている。

ビッグボス「…。」

ビッグボスはヌルの下へ歩き出した。

スネークは何も言わずに見守る。

ヌル「…俺のナイフ。」

ヌルが持っているナイフを見ると、それはひしゃげてしまっていた。

ビッグボス「あの衝撃で折れないとは、良いナイフだな。」

ビッグボスは背中に手を回してあるものを取り出した。

ヌル「俺のナイフが!」

ヌルはビッグボスに向けて走り出した。

スネークがヌルに向かって引き金を引こうとした時

ガキィンッ

ヌルの足元にそれは刺さっていた。

ビッグボス「…お前の大事な物だろう。」

ヌル「…なんだこれは?」

それはグレイフォックスの刀だった。

ヌルが駆け出した時、ビッグボスが投げたのである

ビッグボス「思い出せ!
自分が何者なのか!
お前は何のために、誰のために戦っていた!
…俺はそんなお前に「Fox」の称号を与えた覚えはない!」

ヌル「あ、あああ…ああぁぁあああ!」

ヌルは頭を抱えて座り込んだ

ヌル「俺はヌルだ!
ロストナンバーだ!
仲間なんていない!
ただ殺すために存在している!」

ビッグボス「違う!
お前はグレイフォックスだ!」

ヌル「ああああああああああああ!!!!!」

彼は突然糸が切れたように倒れた。

スネークはそれでも黙って見ていた。

かつての親友が戻ってくるのを信じて。

その時

彼が動き出した。

そして

ガシッ

刀を掴んだ。

???「やはりあなたは俺を救ってくれる。
俺の無を埋めてくれる。」

ビッグボス「何度でも救ってやる。
ただ今は俺に力を貸してくれ。
…グレイフォックス。」

グレイフォックス「わかった。
あなたに力を貸そう、ビッグボス。
…そしてスネーク。」

スネークはグレイフォックスの側まで行った。

グレイフォックス「すまなかった、そして…ありがとう。」

スネーク「俺もあの時の詫びが言いたかった。
すまなかった、そして…ありがとう。」

そういって二人は抱き合った。

二人の抱擁が終わったところでビッグボスが口を開いた。

ビッグボス「グレイフォックス、お前をここに連れてきたのはジーンか?」

グレイフォックス「いや、ジーンではない。
知らない誰かだ。」

ビッグボスは何か考えこんでいる。

スネーク「とりあえずここから脱出しよう。
ゼロは置いていくしかない。」

ビッグボス「いや、ゼロは既に俺の仲間が脱出させた。
ここに長居する必要はない。
脱出しよう。」

そしてスネーク達が脱出しようとした時

???「スネー---ク!!
逃がすものかぁ!」

工場の建物を破壊して出て来た物は

ビッグボス「シャゴホッド!
ヴォルギンか!」

スネーク「くそっ!」

スネークが応戦しようと構えた。

ビッグボス「無理だ!
今あいつを破壊する事は出来ない!
三人で別れて逃げるぞ!」

スネーク「了解!」

スネーク達は別れて逃げた。

ヴォルギン「小癪な!
貴様だけは逃がさん!!」

シャゴホッドはビッグボスを追い掛けていったが、スネークにはたくさんのカエル兵が向かって来ていた。

スネーク「次から次へと!」

だがいきなりカエル兵達が倒れた。

そして倒れたカエル兵達の先にバイクに乗っているオセロットがいた。

オセロット「スネーク!早く乗れ!」

スネーク「オセロット!?
何故お前が!」

オセロット「説明している暇はない!
早く乗れ!」

スネークはバイクのサイドカーに乗り込んだ。

オセロット「掴まってろよ!」

バイクは急発進して出口へ向かっていった。

そして出口を過ぎようとした時にオセロットが言った。

オセロット「やはり来たか!」

???「危うく逃がすところだったぞ、スネーク。」

スネーク「貴様は…。」

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