小ネタ小説

□オタコンの自慢
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オタコン<スネーク、「シュレーディンガーの猫」って知ってるかい?量子力学の話なんだけど。

スネーク「いや、聞いたことがないな。」

オタコン<有名なパラドックスの話なんだけど、知らないのかい?
まず、パラドックスについて話そうか。
パラドックスというのは辞書などで調べると「逆説」とかそういう意味がある。
これじゃ解りにくいね、例を出そうか。

スネーク「今じゃないと駄目か、オタコン?」

オタコン<「クレタ人が「クレタ人は嘘つきだ。」と言った。」
これでどうかな、意味解るかい?
これも有名なパラドックスでね。
この短い文章に深い意味合いが込められてるんだ。
もしこのクレタ人が言っている事が真実なら、このクレタ人が言っている事は嘘になる。
逆にクレタ人が言った事が嘘ならば、このクレタ人は本当の事を言っていることになり、また矛盾が発生する。
否定辞否定辞を伴う自己言及には矛盾が発生するという事だ。」

スネーク「後にしてくれないか。」

オタコン<パラドックスについては理解できたかな?
じゃあ今度は「シュレーディンガーの猫」について話そうか。
これはオーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが行った実験の事だ。
実験内容について簡単に説明しようか。

スネーク「オタコン、まずい、敵が来た。」

オタコン<まず箱を用意する。そしてその中に
・猫一匹
・ラジウム一定量
・ガイガーカウンター
・青酸ガス発生装置
を入れるんだ。
ラジウムっていうのは有名なキュリー夫妻が発見した放射性物質だね。
ガイガーカウンターっていうのは放射能測定器だよ。
もしガイガーカウンターが放射能を検知したら接続されている青酸ガス発生装置が作動して中の猫は死んでしまう。
この箱を一時間後に開けたら中の猫はどうなっているでしょう?っていう実験なんだ。

スネーク戦闘中

オタコン<普通の人なら猫はすぐに死んでしまう、と考えるだろう。
実はラジウムというのは不安定な物質でね、放射能を一時間で出す確率を数値で表すとしたら五分五分なんだ。
だから一時間後に箱を開けた時に猫が生きている確率も死んでいる確率も共に五分なんだよ。

ラジウムが何故不安定なのかという話もしたいけど、ある都合上割愛させてもらうよ。

それで一時間後箱を開けた場合箱の中の猫の運命が決まる。
これを逆に言うと箱を開けるまで中の猫の運命は決まらない。
当たり前だね、観測者が中を見ない限り中の猫の生死なんて判る筈がない。

つまり箱を開けるまで中の猫の存在は不安定になってしまっている。
この時、箱の中の猫は
・ガスが発生せず生きている状態
・ガスが発生して死んでいる状態
が重なり合っていると考えなければならない。

結局猫だけではなく人間だってなんだって他の誰かに観測されているからこそ、そこに「居る・ある」が確定するのであって、誰も観測しない場合は存在が不確定になってしまう。

難しいように思えて実はこの話は僕達の身近にあるんだよ。

例えば警察の取り調べなどで重要参考人がアリバイを言ったとしても、そのアリバイを証明出来る人が居なければそのアリバイは不確定なものになってしまう。
「何時・何処で・誰が・何をした。」
これを証明するには全て観測者が必要なんだ。

スネークだってそうさ。
スネークが何をしたってそれを観測する人がいなければスネークも不確定な存在になってしまう。
言うなれば「シュレーディンガーの蛇」ってとこかな。

さてここまで言ってきたけど理解出来たかい?

スネーク「敵を排除した。で、何だって?」

オタコン<理解は出来たのかい?

スネーク「今の話か、いや、まったく。」

オタコン<つまり僕が言いたいのは、君には僕が必要だ、ということさ。

スネーク「?」















落ちもなく終了。
まったくもって面白くないですね、ごめんなさい。
この話を読んで少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
ついでに管理人はこういう変な話大好きです。
例えば矛盾とかを深く考えると楽しいですよ。
最終的には解けないですけど何とか階層理論とかで避けられないか?とか考えた後の頭の疲労感が心地いいとかたまにありますね。
IQサプリとかも大好きです。

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