MGS小説

□act.6 「知恵の林檎」
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スネーク「…しかし森で食料を調達するのは良いとして、エヴァはそれを食べれるのか?
あまり食べられないように思えるんだが…。」

オタコン<そうだね。
確かに彼女のイメージだとそういうのは食べそうにないね。

でも言い出したのは彼女だ。
きっと大丈夫なんだと思うよ。

スネーク「だが俺はあまり食べたくないな。」

オタコン<どうしてだい?

スネーク「だってそうだろう?
森で採れる食料なんて得体の知れないものばかりだ。
下手したら死んでしまうかもしれない。」

オタコン<だから君が頼りなんだ。
僕達は君が捕ってくるものを食べるんだ。
全滅しないためにもよく選んでくれよ。

スネークはサバイバルナイフでキノコを採りつつ了解した。
と言った。





一時間後





スネークは結構な量の動植物を捕獲していた。

スネーク「これくらいで良いだろう。
オタコン、これからトラックへ戻る。」

オタコン<わかった。…でもスネーク?

スネーク「なんだ?」

オタコン<一時間でこれだけ集められるなんて随分と手慣れてるように見えるんだけど、やったことあったのかい?

スネークは食料の入った袋を担いで言った。

スネーク「昔、ランプの付いたヘルメットをかぶってる猿を捕獲するっていう任務があってな。
まさかあの任務の経験がこんなところで生かされるとは思わなかったが。」

オタコン<…もしかして動物を捕獲した時に「ゲッチュ!」って言ったり、ある程度集まった時に「終ぉわりぃ!」って叫んだのはそれのせいかい?

するとスネークは不思議そうな顔をしながら

スネーク「何を言ってるんだ?オタコン
俺はそんなことを言った覚えは無いぞ」

と言った。

オタコン<……まあとにかく無事に帰ってきてくれよ。

スネーク「了解した。」





帰還中





スネーク「ん?この匂いは…。」

スネークは煙の匂いを感じたので足音を殺しながら匂いが強くなるほうへ近付いていった。

スネーク「これは…。」

着いた先には、まだくすぶる焚き火と骨だけの魚

………といびきをかきながら寝てるオセロットがいた。

スネーク「……。」

とりあえずスネークはオセロットから使えそうな物を取った。

流石にかわいそうなのでリボルバーと弾だけは残しておいた。

スネーク「これは…使えるな。」

スネークは何故かオセロットが持っていたマウストラップを取ってトラックへ戻った。





トラック





スネークを見つけたキャンベルは喜びながらスネークから食料の入った袋を受け取り、早速食事の支度を始めた。

スネーク「大佐、あんた料理できるのか?」

鼻歌を歌いながら食料を厳選してたキャンベルは

キャンベル「俺だって昔はグリーンベレーにいたんだ、任せろ。」

と言った。

スネークがキャンベルに任せて大丈夫かどうか考えていると後ろからエヴァが話しかけてきた。

エヴァ「スネーク、少し話したい事があるの。
ちょっと来てもらえるかしら?」

スネークはああ、と言って先に行くエヴァの後ろをついていった。





トラック付近





スネーク「で、話ってなんだ、オセロットの言葉のことか?」

エヴァは察しが良いわねと言い、適当な木にもたれ掛かりながら言った。

エヴァ「スネーク、「賢者の遺産」って分かるわよね?」

スネーク「大戦中に三大国が出し合った秘密資金か。」

エヴァ「そう、「スネークイーター作戦」でビックボスがソ連からアメリカに持ち帰ったものよ。

…当時私がその遺産を中国へ持ち帰ろうとして失敗した、って話を東欧でしたのを覚えてる?」

スネークは煙草を出しながらああ、と言った。

エヴァ「ビックボスから遺産のデータを盗んだ時、私は彼にテープでメッセージを残したの。

テープの内容は私の素性、目的、そして…。」

「ザ・ボスの伝言」

スネークは煙草の煙を吐き出し、それで?と言った。

エヴァ「そのテープの中で私はある例え話をしたわ。

旧約聖書のエヴァは蛇に誘惑されて知恵の林檎を食べ、楽園から追放された。
私は遺産を知恵の林檎に例えて「蛇を誘惑して林檎を奪った。」と言った。」

スネーク「…ということはオセロットが探すと言った知恵の林檎は「賢者の遺産」の事か?」

エヴァは首を降ってこう言った。

エヴァ「いえ、遺産はとても厳重な金庫で守られていて誰も開ける事はできない。

…ある一人を除いて。」

スネークは煙草を携帯灰皿に入れて言った。

スネーク「その一人とは?」

エヴァは木から離れ、スネークに近付きながら言った。

エヴァ「…愛国者の創始者、当時少佐だったあの男。

…ゼロよ。

ゼロしか開けられない以上「賢者の遺産」はゼロが持っていると言っても過言ではない。」

スネーク「…という事はまさか…。」

エヴァ「そう、オセロットの言う事が本当ならばこの島に…








ゼロ、いや、
デイビッド・オウが来ている。」
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