ユーリ受
□明星
1ページ/4ページ
闇を照らし
真実を映し出す
一等星の輝き
―明星―
人間は汚い生き物だ。
約束など、己の利益の前では露とも思わない。
結局最も大切なのは己のみ。
そのためならば、他を犠牲にすることをも厭わない。
そのことを身をもって知らされた、忌まわしき戦い。
その戦いを経、卑俗で愚かな人間たちに、私は背を向けた。
もう二度と信じないと決めた。
裏切り、友を奪ったことを…決して許さないと。
だが、
全ての人間がそうではないことを、私は知った。
そう、彼は…ユーリ・ローウェルは違っていた。
彼と出会ったことは、私にとって大きな転換点だったと言えよう。
この世界を、テルカ・リュミレースを守りたい気持ちは同じ。
一時は、彼らを信じ、もう一度"人間"に賭けてみようかとも考えた。
だが、結局は譲れぬ信念がそれぞれにはあり、私たちは…道を違えた。
差しのべられた手を撥ね付けたのは己。
衝突は必然だった。
互いの選んだ道のため、戦わなければなからなかった。
.