リクエスト

□君と生きる
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「あとは俺が見てるから、嬢ちゃんたちは休んでてよ」
「でも…っ」
「大丈夫だから、ね?」

まだ心配そうな顔をしてたけど、なんとか言いくるめて部屋から出す。
きっとみんな不安でいっぱいなのだろう。
それはもちろん俺だって同じで。
できれば一人になって考えたかった。

ベッド脇の椅子に座り、眠るユーリの顔を覗き込む。
エステル嬢ちゃんの治癒術と素早い処置のおかげで、命に別状はない。
とはいえ、安心できるわけでもないのだが。
その寝顔はあんなことがあったあととは思えないほどに穏やかだった。
顔にかかる前髪をそっと払っても、目を覚ます気配はない。

俺なんか庇って…馬鹿だねぇ。
こんな怪我しちゃってさ。
死んでたかもしれないのに。
そう思うと、胸が締め付けられるように痛かった。

俺はもう、一度死んでいる身だ。
もういつ死んだって、悔いはない。
死ぬことなんて、怖くない。
俺が死んだところで困る人間なんていない。

だが、ユーリは違う。
まだまだ前途有望な若人で。
ユーリを必要としている人間が、たくさんいる。
この世界の未来に必要な人間だ。

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