幸せの軌跡

□第1話 俺たちの序曲
3ページ/4ページ


けどまぁ、それが嬉しくて、ついつい調子に乗っちゃって。
ぽんぽん、とユーリの腰辺りを叩こうと思ったんだけど。
ちょっとしたミスというか、本能というか。
うん、まず、手の位置がちょーっと下がっちゃって。
ついでになんか撫で回す…みたいな手つきになっちゃって。

「……ぁ」
「っ…!」

ヤバイ。
そう思ったときにはもう手遅れ。

「っ……いきなりセクハラしてんじゃねぇ!!」
「え、ちょ、誤解!」

いや、まぁ、触り心地がよかったもんだから…ついちょっと手を離すの遅れたっていうか、なんだけど。
声を上げて、ばしっと俺の手を振り払ったユーリは、さっと俺から距離を取る。
すぐに後ろを向いちゃったから表情はよくわからない。
そして、残りの荷物を今までとは比較にならない早さで部屋の中に押し込んで。

バタンッ!!

デカイ音を立ててドアを閉じてしまった。

あーあ、おっさんやっちゃったよ。
いきなりこれはヤバくね?

だけど、自然と平気な気がした。
自惚れかもしれないけど。
きっとユーリはまた笑ってくれるって、確信があった。
笑わせる自信も、あった。

だって俺、本気だから。
それにその反応は、ちょっと脈ありじゃない?
なーんて考えながら、今日のところ大人しく部屋に戻ることにした。



ねぇ、知ってる?


おっさんね…


一目惚れだったんだよ?



To be continued...



→次回予告
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ