ユーリ受

□Trick and Treat!?
1ページ/5ページ



スウィーツと


イタズラ


まとめて召し上がれ



―Trick and Treat!?―



おっさん、ただいま職員室の自分の机に向かっております。
手元には、可愛らしいツノのついたカチューシャと、カボチャのステッキ。
どうしたものかと手の中で転がしていると、

「あっれ、ハロウィンっすか?」
「そう、クラスの生徒がくれたのよ〜」

ゼロス先生が後ろからひょいっと覗き込んで声をかけてきた。

今日はハロウィン。
お祭り騒ぎが好きなうちのクラスの面々は、もれなく自主的に(正しくは"勝手に"だけど)色々と用意をしてきたらしい。
朝教室に入ったときの有り様と言ったらもう、あれよ、ね?
昨日までは普通だったのに、いつあんな装飾をつけたのやら。
その燦々たる光景に呆気に取られてたら、いきなり「先生も参加して!」って、
これを押し付けられたわけでして。

「けど、ちょっと俺には似合わないかな〜って」
「たしかに、どう見ても女の子向けだもんなぁ」

一通り説明し、小さく苦笑すると、同じような苦笑が返ってきた。

「センセ、使う?」
「俺ぇ?」

笑いながら差し出してみたものの、ないないと手を振られてしまった。
そういうのは似合う子がつけないと、とニヤリと笑う彼に同意し、うんうんと頷く。

「で、どうするんすか?それ」
「うーん、まぁ、使い道に心当たりはあるのよね、一応」

たぶん、あのおてんば三人娘のことだから『彼女にどーぞ』って意味なんだろうとは思う。
そう、ユーリなら("彼女"ではないけども)似合うに決まってる。
つけてもらえるものならつけてみて欲しい、ぜひ見たい。
問題は、どうやったらつけてもらえるか、だ。
寝てる間とかにそっと頭に乗せる?
成功確率は高そうだけど、面白味は皆無よね。
照れる姿とか見れないし、目が覚めた瞬間にポイされて、ついでにボコられるに決まってる。

色々な考えが頭の中をぐるぐると駆け巡った。
だけど、なかなかいい案は浮かんできてくれなくて。

「ま、頑張ってくださいね〜」

本格的に悩みはじめた俺の肩をぽんと叩いて、ゼロス先生は行ってしまった。

1日かけて、考えに考えた結果…

.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ