幸せの軌跡
□最終話 未来への協奏曲
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どこまでも
つながっていく
オレたちの道
幸せの軌跡
最終話
―未来への協奏曲―
「ん……ふぁぁ〜」
顔を照らす光に意識を揺さぶられ、目を開けると眩しい朝陽が飛び込んでくる。
ゆっくり体を起こして欠伸をひとつ。
微妙な気だるさは、寝起き特有のものかそれとも――
「っ…アホ面だな、おい」
微かな照れ臭さをごまかすように、隣で未だ眠り続ける人物に目を向ける。
その気持ち良さそうな、しまりのない寝顔につい笑いが込み上げてくる。
こんなんでたくさんの学生から尊敬を集めてるってんだからな。
未だにときどき不思議に思う。
そんなことを考えながら、なんとか笑いを落ち着かせて。
ベッドから降りると、そのはずみでおっさんがもぞりと動く。
「やべ、起きた…か?」
慌てて振り返ったけれど。
そこにあったのは相変わらずの、マヌケ面だった。
おさまったはずの笑いがまたこみ上げそうになる。
「ったく…」
苦笑を浮かべてぽつりとつぶやいて。
ふと、今の今まで見ていたリアルな夢に思いを馳せる。
そう、あまりにリアルな、あの日の夢に。
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