09/30の日記

23:00
真空
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誰かが誤解していたようだった。
私が誤解していたようだった。

ゲンコツが一番強いのはきっと
居るに違いない「神」だと。
それも神々達も口答えが出来ない
ボスの一発が強烈だと。

だから困った時はいつだって
癖のようにこぼしていた。

「社長。何とかして下さいよ。」

普通にしてたら会えもしなければ、
お声もかからない。
与えられた配給に文句を言ったら、
そんな「日常」も無くなる。

与えられた事を飲み込むうえに
何かを与えていた人を見たが
ある日、飲みに誘われていた!
「宴に来ないかと」。

与えられた事を飲み込むうえに
自分から与えていた人を見たが
ある日、思いがけない話をされていたようだった。
「お前が社長をやってみろ」と。

だけど社長の椅子に一旦座ると、
若気の至りも出来なければ、
怒って八つ当たりをぶつける
相手も見つからない。

「誰も居なかった」事に
ハッとして、
「何でも出来ていた」事に
アっと醒める。

知るはずもない誰もが
「神々のような」表情をすぐそばで
いつも見せていたのが思い出され、
人の思いと云うものこそがそのまま、
思い込みと云う「重さ」を地球の住処に
与えていた事に気づく。

神々達の姿は人の心の子宮から
生まれたのだとしても、最後の神には
大きさも形も顔つきも何一つ無かった
のだと溶けてゆく。自分が居るという
自信の分解と共に

これが自分だという根拠の軽薄さ。
それはまだ残ってる記憶という事
では無いだろうか。

強いのは我侭な「個人」だった。
人は今すぐにでも目の前に建った
墓標を倒せる。
倒される前に力ずくでそれを
阻止する「我」など
霊には許されない。

いつも何か出来るのは人のほう、
いつも先に壊すのは人のほう。
一番「我」が強いのは人だった。
だからいつまでも聴こえない心。

もっともっと静かにしてみたら
出来の悪い自分でも無重力で誰かを
殴りきる事の困難さに感動してる。

神はまるで風の発生しない空間のようだ。
神はまるで流れを作ろうと画策しない
心のようだ。

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