♂x♂

□初恋
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「ねぇ、皆の初恋ってどんなだった?」


ブルマさんの家で母さんや悟天も一緒にお茶会を開いていた。

女の人は恋の話が本当に好きだ。悟天は例外。
男でも恋話が好きだけど



ふと思い出す、初恋。
あれはまだ小さい頃に行ったナメック星。


なんとか特戦隊…
ぎゅうにゅう?だったか、いや、何か違う…


「あ…」


思い出した…
ギニュー特戦隊。の、赤い顔に栄える白くてさらさらの髪の持ち主が、僕の初恋の人だった。

これはいけない事だと小さいながら理解して、誰にも話さず封じ込めていた自分を思い出し微笑む。


久しぶりに思い出したけど、本当に綺麗な人だった


さらさらの髪に幼い僕は釘付けで、
男とはとても思えない、でもその体は男そのもの。
今の僕以上の筋肉質だった


父さんの話ではギニュー特選隊は地獄で楽しくやってるらしいけど。

隊長のギニューさんだけは地獄に落ちる事も無く蛙になっちゃったんだっけ


…地獄に居るなら僕が死ねばまた会える、かも?

でも僕は死んでも地獄には行けないよなぁ…


「ん?…」


いや待てよ。

確か…あの世の蛇の道から地獄に落ちて大変な目に合ったって父さんがいつかに言ってたっけ…


難しい文字が並んだ本を片手にぼんやり眺めて、昔の記憶を古い記憶の引き出しから引っ張りだしていく


嬉しくなって心の声をつい口に出してしまった。


「まだ手段は有る、か」

「なーに、悟飯くん?」

「あ、え?いえいえ、なんでも。考え事です。」

「なーんか今日の悟飯は変だ!何か企んでるだな?」

う…
母さんはやっぱり鋭い。さすが、変り者の父さんの面倒を見てるだけは有る


「はは、そんなー、」


死んでからの楽しみが出来て、幼き頃は言えなかった気持ちが蘇ってきた。

死ねば、その足で蛇の道から自ら底へと飛び降りる


想いを伝える術を知った僕は、今も変わらない想いを伝えるために地獄へ。


今ならきっと。誰にも邪魔されずにあの人を手に入れられる。必ず伝える。
さらさらの髪に顔を埋めて会いたかったと。


どこから来るのか解らない自信で、僕は満ちていた


ーENDー

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