サスナル部屋
□体育のセンセイ
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俺の名前はうちはサスケ、職業は家庭教師。
教える教科は体育。
近ごろは、子供の体力や運動能力が低下しているとかで、我が子のために体育の家庭教師を雇う親が増えている。
そんなこんなで、俺はうずまき家に派遣されることとなった。
うずまき夫妻の一人息子であるナルトは、金髪に青目という可愛らしい外見に似合わずやんちゃな男の子。
ただ、子供嫌いな俺にしてみればくそガキにしか思えないわけで。
まあ唯一の救いと言えば、こいつが苦手なのはマット運動だけだという事。
陸上競技や球技なんかは、同学年の子供と比べてもかなり出来るほうだ。
全部教えてたら切り無ぇからな。
「よし。昨日の授業で球技は大丈夫だとわかったから、今日はマット運動の時間だ。」
初回の頃はナルトとの関係を築くためにも、得意な分野の授業をしたわけだが、依頼されたのはマット運動の克服だからな…そろそろ取り掛からないと。
「うげっ。俺ってばサッカーやりたい!」
「だめだ!苦手なものから逃げてたら強い男になれないぞ」
そこは体育の授業だけあって、体育会系のスパルタですすめていく。
ナルトもまだ小学生だから、悪乗りしながらなんだかんだ楽しんでる。
「おっす!師匠、俺に秘伝の技を伝授してくださいってばよぉ!」
何が秘伝の技だ。ガキの思考力にはついていけねーよ。俺が教えんのはただのマット運動だ。
うずまき家は高級住宅街に位置するだけあって、運動用の部屋がある。
「じゃあ、前転からだ。まず先生がお手本を見せるからな」
マットの上をコロンと転がる。
「んなの簡単だってばよ!」
そうだな…さすがに前転くらいは出来るか。
「んじゃナルトやってみろ」
ナルトはマットの上にしゃがんで手をつくが、そこからどうも動かない。