ガナル部屋
□どんな贈り物よりも。
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数日前から届く贈り物は同盟国の大名や忍からのものだった。
どうやら風影になると誕生日の祝いかたも大きく変わってくるみたいだ。
嬉しくないと言ったら嘘になるが,それでもこれだけ多くのプレゼントを貰うよりも俺はアイツに会いたかった。
しかし,風影である以上は私情で席をはずす訳にはいかない。
それにアイツも任務で忙しいのだろう。
せめてアイツから贈り物でも届かないだろうかと僅かな期待を抱いて木ノ葉からのものを探した。
「失礼します。」
扉を叩く音が響き,上忍達が本日分の配達物を運んできた。
誕生日当日だけあって,運ばれてくる量も昨日までとは桁が違った。
「こちらは木ノ葉からのものでございます。」
最後に部屋に運ばれてきたのは俺の背丈ほどある大きな箱だった。
「失礼いたします。」
上忍達が部屋から出ていき一人残った俺はその大きな箱が当然のように気になった。
「木ノ葉からって言っていたな…。」
送り主の欄には,枠一杯に元気よく並ぶ「うずまきナルト」の文字。
俺は他の贈り物には目もくれずにその箱に手を伸ばした。
「誕生日おめでとうだってばよ!」
中に入っていたのは予想だにしないナルト本人だった。
「ナルトどうしてここに!?しかもその格好…。」
驚くしかない。
ナルトが目の前に居るだけでも信じられないと言うのに,ナルトは裸なのだ。
「我愛羅が喜ぶだろうなって。」
確かに嬉しい…。
「本当はケーキとか作りたかったんだけど,俺ってばそんな難しいのできねーからさ。」
いや,ケーキより嬉しいぞ,これは。
「でね。ホイップクリームなら作れたから…。」
から…?
俺は口にたまった唾を飲み込んだ。
「俺を食べて?」
ほんのりと頬を染めるナルトに俺は思考回路が停止した。
ナルトは箱から外に出ると絞り袋に入ったホイップクリームを握りしめた。
「ナルト…。」
ナルトは首輪のように首にクリームを絞り俺にはにかんだ笑みを見せる。
「我愛羅だけのものだってばよ?」
そう笑いながら腕や太股にも同じようにクリームを乗せていった。
「ナルトっ。」
俺は堪らずにナルトの肩をつかみ,にこやかに笑う唇に口づけた。
久しぶりに交わすキスに俺達は夢中になって舌を絡め続けた。
ボトリという音と共にナルトの手から絞り袋が落ちて床に潰れた。
「…んっ…ふっ」
角度を変えて唾液の音をわざと立てながら深く深く互いを求めた。