ソラノウタ

□エース
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僕の背中についている

『1』というエースの証

初めてこの手に

渡された時のこと

今でも忘れず覚えてる

自分を認めることなんて

出来るはずもなくて

実感もなく

ただその番号を見つめてたっけ

何故だか

すごく重かったのが

『1』との出会いだったかな

友達にさ

「どこ守ってるの?」

なんて聞かれて

いつも苦笑いで答えてた

しかも小さい声で

中心を守ってるって

なんで胸張って言えなかったのかな

その場にいるだけで怖くて

『1』を外せって

言われたこともあった

それでも『1』つけてんのかって

怒鳴られたこともあった

情けなくて仕方ねぇって

呆れられたこともあった

お前がいなくても困らないって

笑われたこともあった

じゃあなんで

僕に『1』を託したんだって

言いたかったこともある

こんなもの返してやるよって

言いたかったこともある

結局僕は

何が出来たのかな・・。。

そう考えるだけで虚しくなるよ

このエースとは

もうすぐお別れなんだけどさ

また誰かに渡さなきゃいけないって

そう思うとさ

そのエースはどうなっていくのか

嫌でも気になる

僕とは同じようにだけは

なってほしくないって

そう願うだけかな

僕はこの『1』に誇りを持ってる

だけどね

一番嫌いな数字だったんだ

『1』って聞くだけで

耳を塞ぎたくなった

でも好きになりたかったなぁ

こんなにも長く

僕の背中についてきてくれたのに

最後に感謝できるようにさ

もうちょっとだけ

頑張ってみるよ

背中の『1』が泣かないようにさ
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