上下の憂鬱

□01.丁重に御断りする。ますー
1ページ/1ページ



ガリガリ、ガリガリ、って。

矢鱈とペンの音が部屋に響く。

まぁ殴り書きしてるから当たり前なんだけどねー。

にしても、終わらない。

何故だ。

…あ、落書きしてるからかなー。


コンコンッ


「手伝ってくれるならどーぞー」

「落書きしてる人が何を言っているんですか」

「尤も意見だねー、補佐官クンー」


私の部屋に入ってきたのは私の補佐官。

此れでも中将なんだよー。

補佐官くらいは居たって不思議じゃあないよねー。


「と、言う事で手伝ってー」

「如何いうわけですか」


ぴしゃり。

はっきり言いすぎだよー。

まぁ良いんだけどねー。

あれ、意味不?


「それでー、どーしたのー?書類手伝ってくれるわけじゃあないんだろー?」

「センゴク元帥が御呼びで、『何時まで経っても来ないから引き摺って来い』と」


鬼かコノヤロー。

あれだよ、大仏じゃなくて鬼。

氏ねェ。


「行ってらっしゃいなー」

「私ですか?」

「ん、君」


ポカン、とした顔をした。

なんていうのー?くーわかんないー(棒読み)。


「駄目です、駄目ですよ!貴方が行かないと私が怒られます!」


バンッ!

あんらー…、勢い良く作業中の机を叩くもんだから折角描いてる絵がずれたじゃないのー。

序でにインク零れた。

じゃなくて自分のためかよー。

私を犠牲にするのか、部下の癖にー。

小癪な。


「うるせーなー…、行きゃあ良いんだろー?」

「そうです」


アーッ、もう睨むな。

行くよ行くよー…。


「書類の後片付けよろしくー。出来た分だけ持っていくからさー」

「いやいや部下に遣らせないで下さい!」

「残りは君が出来る分さー」


んなまさか!、って聞こえるけど気のせいだよねー。

何かギャーギャー煩い補佐官を無視してゆっくりと自室を後にした。





+*+



「ちゃらっちゃらー、皆のヒーローくーさんさんじょー」

遅い!


カーッ、うるせー、センゴクのじーさん。

バーンッ!って効果音付きの開け方でドアを開けて参上したんだけどー…。

目の前っていうかデスクワークなうのセンゴクのじーさんは随分怒ってる。

あ、ヤギに書類食われてる。良いのか、じーさん。


「用って何ー?ですかー?何か自分の部下に締め出されちゃったんだけどー」


はい嘘。


「何時まで経っても来ないからだ!」


…てへぺろ。


「えー…、書類終わらなかったんだよー。あ、此れ終わった分ー」

「御苦労…、って違う!」

「ナイスノリツッコミ」


親指を立ててグッジョブ!的な感じの事をすると親指圧し折られそうになった。

あっぶねー。


「で、御用とはー?」

「青雉の補佐官になってもらう」


補佐官かー。

面倒臭いなー。

私は今のままが丁度良いんだー。

…あれ、誰の補佐官だっけ。


「赤犬さんとやらの補佐官かー。さぞかし簡単だろーなー」

「青雉だ」


あーれー…?

いやいやまっさかー。


「もっかい」

「昇格で青雉の補佐官だ」


わーお。

今何と。

あ、いや聞こえたから睨まないでー。


「昇格て…、それ降格じゃんー」

「昇格だ」

「絶対違「昇格だ」えぇ…」


鬼だ、やっぱり鬼ー。

氏ねェい。


「えー…、じゃあ中将の地位はー?」


今一番思ってた事をじーさんに言った。

けど返事が酷かった。


「中将は今でも続けてもらう。そしてクザンの補佐官をしろ」


…はーあ?




丁重にお断りする。ますー





(絶対にヤダー)
(命令だ)
(氏ねェーい)




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ