落花流水 〜過去篇・壱 遭逢の時〜
□*第拾壱幕* 八つ当たり
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【高杉side】
「…」
(『近づくな』も何も、あのチビから抱きついてきただけだろ?
…完全にとばっちりじゃねェか)
ゴロン
床に仰向けに寝転ぶ高杉。
「…高杉」
桂が部屋に入ってきた。
「今、銀時とすれ違ったが、また喧嘩でもしたか?
なんか睨まれたぞ」
「喧嘩?違ェよ。『八つ当たり』だよ」
「なんだ、それ」
「悠凜だよ、悠凜」
「…ああ、そうゆうことか。お前、からかったんだろ?」
「別に…、ただ好きなのかって聞いただけだ」
「お前、そんなの聞かなくても、
銀時の様子を見ていればわかるだろ」
「フン」
ゴロンと横を向く高杉。
「悠凜には近づくなってよ」
「近づくも何も、あれは悠凜の方から…」
「それも気に食わねェんだろうよ。
だから、てめェも気をつけろよ」
「気をつけろと言われても…」
「あ〜面倒臭ェな…あんなチビに興味ねェっての」
溜息をつく高杉だった。
『*第拾弐幕* 誕生日』へ・・・